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목차 › 제3 하(第三下) › m3.008

세나 님, 기헤이지를 맡다편집 표제

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然所に勝賴はすわ之原へ御陣がへを被成而御越有而、繩打を被成而城を取給ふ。然者せな殿、喜平次を御覽じて、あれは、某が古へ存知たるものなり、駿河へほうかうに參し時、某目懸申たる者之儀にて御座候間、哀某に御あづけ給候へと被申ければ、其儀ならばあづけよとの給候へば、せな殿へわたしける。せな殿仰には、御身は昔寄之知音なればあづかり申成。さて又ちいんと云て、なわをかけておくことは、あづかりたるせんもなし。さらばなわをときて、我等が相伴をして、我等が陣之內をば、らく〱とありき給へ。他之陣場へ行給ふな。然者御身に昔目を懸申たる故にあづかりて、らくにおき申成。此故にても國へも行度は行給へ。ちかづき故に我が一命を知行に相そへて、勝賴へ指上申迄にて候へ。少もくるしからざるに、行度は行給へと仰ければ、喜平次申、せな殿御なさけをわすれ申而おちゆく者ならば、我身のはぢはさておきぬ、國のはぢをかき申間敷と申。心之內には前のごとく、なわをもかゝりて有ならば、何とぞしてなわをも拔きて行べけれ共、せな殿になわをとかれ申候へば、にぐる事はならず、却而せな殿になわのうへになわをかけられたるとこそぞんじ候と、心の內におもひける所へ、やかたよりの御意に候。あづけおくいけ取に、なわをかけ給ひて、渡し給へとて參ければ、喜平次心之內に思ひけるは、さて命ながらへけるぞや。此程はせな殿にからしばりと云物にあひつるが、うれしやと思ひける處に、せな殿仰けるは、此間之內にかけおちもし給はで、又渡し候へと仰被越候へば、めいわくなれ共是非に不及と被仰而渡し給へば、喜平次も其名をゑたるものなれば、おどろくけしきもなく一禮して行ける。