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목차 › 제3 하(第三下) › m3.065

히코자에몬, 말대꾸한 이유를 밝히다편집 표제

65 · 969자 ·편집 단락

然間彥左衞門召つかいが申ける、ゆわれざる御ことばを返給ふと云ければ、おのれらはしる間敷、何とて上樣を迯げさせられたると、天道おそろしく申上申さん哉、上樣は小栗忠左衞門と只二騎御馬に召而御座被成候。御へんには二十人ぐみ衆れき〱といたる。然共ずいぶんの衆はにげてこそ有らん、御前にはあらず、上樣こそ御座被成けり。御內のれき〱はおふかたにげける間、申ぞこなひにはあらず。然共此さきの御たづねにはゆる〱御たづね被成候に付而御前の方へ參申つるが、御前とは程へだち申間、御前へ參申而からは不存と申上ければ、御機嫌もよく御座候つるが、今日はつめ寄てせり付〱被仰候間、某も事の外せき申故に、御前が崩たると申上たる儀は心の外の儀成。又御ことばを返し申儀はべつの儀にあらず、御旗奉行衆うろめきたると聞召けるや、それをにくしと思召て御旗がにげたると御狀被成けるは、上樣の御ちがい成。御旗にきずを付させられて、御はたがにげたると被仰所にはあらず。其に御腹を立せ給ひて、我が旗はにげたると御狀被成候を、各々れき〱としたる御取立の衆中々にげ申たり。我等共も見不申と申上たる衆は日本一のひけと云。又は御しうさまの御事をおもわずして當座の御きげんとり申つるは、さて卑怯にはあらざるや、某は相國樣迄御代御七代召つかわされ申御普代の者なれば、御旗にきずをば付申まじき。たとへにげ申たる御旗成ともにげ不申と申上而、其が御咎ならば頸はうたれ申共、御旗のにげたるとは何として可申上哉、各々は當座の御意にいり申とて、以來之御主のためをば不申、我等はとうざにくびは打れ申共、以來の御ためあしくは何としてかは可申、相國樣度々之儀を被成申せ共、味方が原にて一度御旗のくづれ申寄外、あとさきに陣にも御旗のくづれ申無㆑事。況や七十に成らせられて、おさめの御ほうどうの御旗がくづれては、何の世にはじをすゝぎ可被成哉、然時んば我等が命にかへても御旗のくづれざると申たるが、御普代の者の役なり。又いかに御取立成とも當座の御氣にそむかざるやうにと思ひて、以來の御ためにかまはざる事こそ、御ふだいにあらざる人のやく成。我等御ことばを返し申而からかひ申たる故に、おさめの御ほうどうの御旗はくづれぬになる。其儀をかんがへずして、某を上樣にからかい申たる我まま者と申人は、とても末世御主の御用には立事有間じき。