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目次 › 卷之一 › e019

○上杉謙信大人氣ある事

卷之一 第19話 · 段落 1 · NDL 1078984 35コマ R · 異本による補遺

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德川家康使を發して好を上杉謙信に通じ、武田信玄を夾擊たんと請ひけるに、折しも村上義淸及び其子國淸越後に寓りしかば、力めて之を賛成し、遂に夾擊の議に決し、元龜三年四月謙信一萬人を將ゐて信州に打出でられ、火を長沼に縱つて遙に德川の聲援をなしけるに、此時信玄の子勝賴伊奈に在りけるが、其警を聞き、直ちに兵八百を以て赴き防がんとなしけるを、謙信遙に此の體を見て曰く、彼れ敢て寡兵を以て我に當らんとす。信玄の兒たるに愧ぢず。吾其勇を成さしめん、と兵を引きて還りけるとなん。