e063.p01校訂済71R:6–9別北條丹後、一尺四方の白練に黑き蟻を繪に書きて指物にしけるを、謙信見て、汝が指物あまりに小きは如何なる子細ぞ、と問はるゝに、丹後誠に味方よりは見え難く候べし。さはあれ共進むに先駈けし、退くに每度後殿せんには、他人の大なる指物も、此の小四半と敵の見る所は同じからんと存ずるなり、と申すをば、謙信、理なり、と言はれしとぞ。