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○梶川彌三郞槇島先陣の事

卷之四 第3話 · 段落 1 · NDL 1078984 79コマ L

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天正元年信長靈陽院殿を宇治の槇島の城に攻むる時、折しも雨降りて川水岸を浸せり。信長馬を水涯に駐めて、昔の梶原佐々木も鬼神にてはよも在らじ、と言はるゝ處に、武者一騎川へ打入りたるを見て、梶川彌三郞高盛なるべし。梶川討たすな涉せ、と下知して、夫より我先にと打入りて渡しけり。此の戰の前に信長黑の馬を梶川に與へらる。其の時信長、梶川が志重ねての軍に眞先駈けんずる者なり、とあざ笑ひて言はれしが、果して其の詞に違はざりけり。