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○駿府城中へ水を引かんとせられし時の事

卷之十八 第12話 · 段落 1 · NDL 1078984 288コマ L

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駿府の城中の池に、阿部川の水を引入れよ、と仰せ有りしに、水筋に小き寺有りければ、外の處に引移さん、と申しけるを、東照宮、寺を移す事を止め、水を入るゝにも及ばず、と仰せられけり。此程の寺移し候はんに如何許の費の候べき、といへば、夫は大なる僻事なり。田の爲に水を引かんには左あるべし。吾庭の水は慰なり。夫に人を勞する事やある。無益の事に地を捨つるは敵に取られたるに同じ。百姓の苦なり、と仰せられぬ。