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○本多忠義書籍評論の事

卷之二十三 第9話 · 段落 1 · NDL 1078984 355コマ R

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本多能登守忠義、或時近習の人に、近き頃世にもて囃す書の事を問はれしに、平家物語評判の事を申す者あり。それは誰が著したるにや、と問はる。由井正雪が作り候、と答ふ。忠義、凡書籍は賢人君子の著す處なる故にこそ崇む事にはあれ。正雪は大惡逆の賊なり。よも正しき事は有らじ。其書籍聞くも穢しく覺ゆ。人を以て言を捨てずといふ事のあれども、斯る凶賊の何條善き言の有るべき。汝等よく心得よ、といはれけり。