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八屋半之丞の奮戦と家康の駆け付け編集見出し

15 · 1,027字 ·編集段落

鍼崎寄上和田得働ければ、矢藏に上而竹之筒の蚵を吹ければ、岡崎には上和田に蚵が立と聞と被㆑仰而、番を付而置せられければ、すはや上和田に蚵社立申せと申上ければ、日比仰被㆑付候間、早御馬に鞍を置而引立れば、早召而何時も人先に懸付させ給ふを、敵は遠見を置而見而者、殿の懸付させ給ふに早のけとて、足々にしてのく。げにと五丁十丁之事なれば、上樣を見懸申而は、其儘寺內得引入、又重而之懸合にも何ものごとく貝を立ければ、御懸付も何ものごとくに懸付給ふ。其時は御供申而懸付申たる衆には、上村庄右衞門、黑田半平、敵には八屋半之丞と上村庄右衞門が鑓を合る。渡邊源藏などが鑓が合、其時黑田半平を渡邊源藏がつきたをす。然處に懸付之衆重ければ八屋半之丞も渡邊源藏も引ぬいて足々にしてのく。八屋半之丞はほそ畷而得折而退ける所得、水野藤十郞殿懸付給ひ而、半之丞が八幡大菩薩のけ間敷に、返と仰ければ、八屋立𠌫而につこと笑而、藤十郞殿が我等にはとてもならせられ間敷と云而、鑓をまつ直に突立て手につばきを付而手ぐすねを引。藤十郞殿重而仰けるは、とてもやる間敷物をと仰ければ、八屋云、とても我には成間敷に、こたへ給得とて鑓おつ取而、錣を傾け而懸りければ、藤十郞殿脇得闢給ふ。半之丞のゝしりて、左程に社思ひたれ。我に何がならせ給はんと云而ののしる。半之丞と申は脊かし高にして力の强ければ、白樫の三間柄を中ぶとによらせ而、長吉之身の四寸斗成をとぎ上にして紙を吹き懸而、颯々ととほるを、えりはめて持。然間長柄之持鑓も少成ども錆のうきたる事は無。去間半之丞が鑓さきには誰かむかはんと、獨ごとを云ける者成。然間半之丞は其寄野得上てのく處得、上樣懸付させられて、八屋め返と被仰ければ、心得たりと而返而見而あれば、上樣に而有ければ、取つ而戾し鑓をひきずり而頭を傾而、虛空三寶に逃行處得、松平金助殿懸付而、八幡半之丞返と仰ければ、取而返而、殿樣なれば社逃たれか、御身達にかとて歸し而、金助殿も八屋も互に鑓を突き合而五度六度合給ふが、力の强き者が樫之三間柄を石突を取而突立れば、かなはじと思召、鑓を引拔而うしろへしさり給ふ所得、ふみ込み而擲突にしければ、金助殿うしろ寄前ゑ鯨に魚淙を立たる如くに突き立けり。走り寄而、鑓を引ぬきける處得、又上樣懸付させられ給ひ而、八屋めと被㆑仰候を聞而、又鑓を引ずり而跡も見ずしてにげにけり。上樣も御歸被成而、八屋めが我にもにげんやつにはあらね共、我を見而にげけると御意被成、御機嫌能。