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七郎右衛門、諸将に反撃を説く編集見出し

43 · 876字 ·編集段落

大久保七郞右衞門は、平岩主計がそなひへのり入而云けるは、貴殿のそなひを河を越而、われ等がそなひのあとへ押付給へ。敵之人數之纒らざる內に、我等がきつてかゝるべし。然時んば一人もやるまじきと申せば、中々主計返事もせず。七郞右衞門重而云けるは、川を越事成間敷と思はれば、せめて河のはた迄そなひおろさせ給へ。我等かゝり可申と申けれ共、其儀もならざれば、七郞右衞門はらをたちて、日比其かくご成人なれば、ちからもなきあさましき事とてのり歸し而、又鳥居彥右衞門そなひへ行而申は、平岩主計方にそなひを河のはた迄おろし給へ。然者敵之人數ちり〲成內に、我等がきつてかゝらんと云けれ共、震慄まわりて物をもゆわず。然者彥右のそなひを我等そなひのあとへ押出し給へ。敵之人數ちり〲にてまとわぬ內に、我等きつてかゝらんと云けれ共、鳥居彥右もことばをも不出して有ければ、其儀ならば河越事をいやとおもはれば、河のはたまでそなひをおろさせ給へ。我等がきつてかゝるべし。せめてあとをくろめ給へと云けれ共、返事もなければ、何れも下戶に酒をしいたるふぜいなれば、ちからもなし。日比之存分之ごとく成とて立歸り、又ほしなのだん正方のそなへへのり入而、御身のそなへを河のはたへおろし給へ。然者敵のまとまらざる內に、我等がきつてかゝるべしと云ければ、是は猶もふるゑて返事もなければ、あつたら地行かなと云すてゝ歸る處へ、平助が乘り迎ひ而、河むかひの敵が河をこしたらば、此ていにてははいぐん可有と見えたり。てつぱうを河のはたへ出させ給へと申ければ、七郞右衞門物もいはずして手をふりければ、手をふりてはかなふまじきに、はや〱てつぽうを出させ給へと申ば、其時七郞右衞門たまくすりがなきぞと言ければ、たまくすりのなきとは何としたる事ぞや、はや〱出させ給へと云ければ、其時せがれめが何を云。こと〲くこしがぬけはてゝ出んと云者一人もなきぞ、こしがぬけたると云へば、諸人のよわみ成に、たまくすりがなきと、云物なるぞと云ければ、平助も其儀ならばとて、かはらへのり出して歸る。され共敵も河を越さずして引入ければ、相互に引。