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○金松彌五左衞門物見の事

卷之三 第27話 · 段落 1 · NDL 1078984 73コマ L

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信長淺井長政を討つ時、長政が木造の陣俄に騷ぐ體の見えしかば、猪子兵助を物見に遣れけるが、又金松彌五左衞門をも出されけり。猪子馬に白泡嚙せて馳せ歸り、敵は引き退き候、と言ひも果てぬに金松乘歸り、敵押寄せ候、と言ひ捨てて、又先陣に行いて鎗を合せたり。信長後に二人を呼びて、汝等見し所は如何に、と問はるゝに、猪子、敵は荷着けたる馬を遙に遠く引退け候程に、引き退くと見て候、と申す。金松、承り見る處は猪子に同じく候。然共軍を志候長政、故無くして空しく退く可きや。押寄せて戰はん爲と存じ候ひき、と申せしかば、信長大に賞められけり。