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○伊藤七藏高名の事

卷之九 第32話 · 段落 1 · NDL 1078984 172コマ L

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信長江州小谷の城攻に伊藤七藏先駈したるに、從者取附きたる故、上帶切れて刀も脇差も塀下に落つ。七藏少しもひるまず乘込んで、柵の木取つて敵三人叩き伏せ功名しけり。七藏父を若狹といふ。相州の人にて武者修行し、尾州前田村に居ける頃、信長呼び出されけり。七藏尾州三本木の軍に、事急にして編笠を冠りながら一番鎗を合せける故、信長大に賞美して編笠と呼ばれけり。後秀吉に仕へて度々功名有りしかば、紫紬井筒の紋廣袖の小袖を與へられければ、甲の上に著たり。秀吉の旗奉行と成りたり。