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○村上彥右衞門先見の事

卷之十三 第8話 · 段落 1 · NDL 1078984 219コマ L

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關ヶ原の時、大坂の舟手村上彥右衞門、菅平右衞門、九月十二日の夜桑名に著き、十三日諸將に對面し、安國寺に向ひて、味方陣所の體見及びたる所心得られず、といふ。安國寺、吾もさこそ思ひ候へ。され共關東者一人に上方勢十人の積りなれば、四五日持ち堪へなんには必ず勝つべし、と答ふ。村上、味方山どりの有樣高くとりあがり疎なり。戰ふべき色に非ずとて下り會ふ事も叶ひ難からん。東勢は物師故陣所厚く見ゆ。一兩日を過ぎずして合戰有らん。覺束無し、と言ひて歸りしが、果して計りし如し。村上は、敗軍の時阿濃津より九鬼大隅守嘉隆の許に行き、夫より上方に上りけり。