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○井伊家の附人連署して直政を諫めし事

卷之十八 第3話 · 段落 1 · NDL 1078984 284コマ L

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井伊直政壯年銳氣甚しかりしかば、東照宮より附け置かれし□諸本脫以下連署して諫書を獻けたりし。其中に、人には必ず向ふざすと申す事を思設けたるが然るべく候。臣等が前の主君の事を申すも如何なれ共、信玄は若き時より一つとして心より善事は無き人にて候へ共、常に越後の謙信を以て向ふざすとして、謙信に優るべきと勉め勵まれ候ひき。されば信玄一生の間、手を下したる大事の合戰五度に及び候へども、大なる敗北はせられず候。殿にも本多中務太輔忠勝を以て向ふざすとして、勉めて劣らじと勵み給ひ候へかし。古より進まず退かざる良將と申すは、中書相叶ひて覺えたり、と書きたりけり。