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○稻田九郞兵衞武功を語らざりし事

卷之二十一 第8話 · 段落 1 · NDL 1078984 330コマ L

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東照宮後稻田に御感狀を賜ふ。太平の後御旗本の人々稻田に逢ひて、大坂夜討の時の事語られよ、と言ひしに、九郞兵衞聞きて、十五の年の事隔りて皆忘れたり、とて强ひて問へども一言も言はず。公方より賜りたる感狀の詞を問へども、存寄らざる賞を得て深く藏め置き、再び見たる事無ければ、これも忘れたり、とて語らざりしとなり。