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○片桐丹後守一番首を取る事

卷之二十一 第20話 · 段落 1 · NDL 1078984 340コマ R

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片桐丹後守は越前忠直に仕へしが、大坂夏の陣に勘氣を蒙る事の有りしかば、先陣に忍行きて控へ居たるを、本多伊豆守見て、片桐は必ず討死すべし。あはれ赦され候へかし、と申せば、忠直、片桐呼べ、とて使番須田長左衞門先陣に乘行き斯くと言へば、片桐、忠直の前に參り、冑を脫ぎ淚を流し謹んで居たり。忠直其時、汝が日比の罪許し候ぞ、と詞をかけらる。片桐、今の時に至り斯る事こそ心得ねと思ふ色顯れ、忠直の方を屹と見て馬引寄せ打乘り、先陣に向ひて、軍始まると冑首を得たり。越前の一番首なり。