e461.p01校訂済341R:3–6別大坂五月七日の軍に、水野隼人正が組の松平助十郞秀信、今日の一番は他人に先を駈さすべからず、といふ。水野丹宮、口廣き事な言ひそ。誰か汝に劣らん、と爭ふ。助十郞、各よく聞かれよ。今度朋輩に一番の馬は吾馬なり。上田吉之丞が弟子にて、馭は許印可まで極めたれば、誰か先を爭ふ者の有るべき、といひしが、果して一番に乘り出し、敵に向ひて討死したりけり。