e561.p01校訂済409L:4–9相圖の旗といふ事あり。甲陽家に於ては萩原常陸守と云ふ大剛の武士、伊勢浦の獵をなすに山上に於て相圖をなし、其相圖に依つて魚を捕るを見て、是に依つて工夫をなして、相圖の證據旗と云ふ事を爲せり。則ち信虎の世に駿河今川の家臣福島といふ武功の士、甲州を取りて我國にせんとて、駿遠の人數大軍を以て甲州へ押入り、已に武田滅亡せんとせし時、常陸守件の證據旗の相圖を以て軍に勝ち、敵の大將福島をも討取りたりとなり。是小旗に依つて大利を得たりとなり。