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○甲州山形同心長坂重左衞門の事

拾遺 卷之三 第6話 · 段落 1 · NDL 1078984 411コマ R

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甲州家山形同心の士長坂重左衞門、後に井伊家に仕へたる時、上泉義鄕と武話ありしに、重左衞門が曰く、惣じて戰場にて、互に銳將先に進みて、利ある戰地を取らんと欲する時、我方に其地利の場を取りたる時は、其場を取るや否や、銳卒に一放づつきほひをとりて鉛子を放さすべし。不㆑然時は假令能場を取りて勝を得たりと雖も、銳將の功を先賞する事なし。其場を取りたるまでなり。其場を此方へ取るや否や鉛子を放する時は、銳將の功著し。此德を可㆓考知㆒事なり。