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○大河を涉る心得の事

拾遺 卷之三 第12話 · 段落 1 · NDL 1078984 413コマ R

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大河を涉る時は馬武者を川上を渡させ、川を切らせて川下を步卒涉る時は、大勢の勢にて馬筏にて涉る故に危き事なし。武藏守利隆公、諸卒天滿川を涉す時、右の如く川上を馬武者を一同に㗢と川へ乘込んで渡し、其川下を步卒涉りしに、何の苦惱もなく悉く渡せりとなり。大勢の中只一騎沈みて、指物上へ浮きてひら〱せしかども、急なる場故引上る人なく、水に沒し死たり。右の一騎溺れ死せしより外に、末々まで一人も水に沒したる者なしとなり。