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○佐野修理亮宗綱長尾但馬守顯長合戰の事

拾遺 卷之三 第26話 · 段落 1 · NDL 1078984 418コマ R

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佐野修理亮宗綱は下總唐澤に在り。足利の長尾但馬守顯長と郡邑を爭ふ。或時宗綱は岡崎山に陣し、顯長は唯木山に屯す。兩山の間に小川あり、之を隔てて日々足輕攻合のみにて未だ勝敗を分たず。時に顯長兵を還す。其體嚴肅なり。宗綱も同じ師を引返さんとす。密に兵を分つて山間の樵路より兵を進め、大沼田といふ所に廻り、顯長が前路に令㆑出。顯長之を知らず。宗綱も陣拂して段々に引行く。今は漸遙に隔り、又後襲の恐なしと思ひ、用心の備稍怠り、諸勢の足を亂して引行く。宗綱は廻備の出合程を量り、俄に旗を還し、顯長追廻備の勢橫合に出で、顯長刀備を突けば、顯長大に敗して追討に逢ふ者甚だ多し。宗綱思ふ儘に利を得て唐澤に歸る。