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○稻葉一徹文學に依りて死を免されし事

附錄 雨夜燈 第14話 · 段落 3 · NDL 1078984 445コマ R

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といふ句なり。一徹少し學問ありて讀けるに、相伴其故を問ふ。一徹大略子細を咄しければ、信長壁越に是を聞き、つと走出て、一徹には荒勝負許する勇士と思ひしに、今聞く處文字にも達せり、奇特の事感ずる餘に實を語るべし。今日の遇は茶の湯にあらず、其方を刺殺さんとせし巧みなり。相伴の三人皆懷劍を差したり。今日より永く我に從ひて謀を致されよ。ゆめ〱害心を止たり、と云はれければ、三人の相伴懷より小脇差を取出す。一徹平伏して、死罪を御免下され候事忝く候。私も內々今日殺さるべきにて候はんと察し申候へば、詮方なく是非一人相手を取可㆑申と存用意仕候、とて、是も懷劍を取出して信長に見せ申しければ、信長いよいよ其心がけを譽られけり。