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○木全知矩連歌の事

卷之一 第15話 · 段落 5 · NDL 1078984 33コマ R

人物地名家(氏)官職日付索引へ

安藝佐伯郡に木全知矩といふ者あり、後に宗哺といふ。毛利元就に從はざりければ、圍み攻めらる。兵粮已に乏くなりて、降參を勸めらるゝも、父祖より受け傳へたる城を手易く人に授くべきや、とて彌服從せず。宗哺は連歌に心を寄すると元就聞き傳へて、箭文を城中に射入れさせられけり。
秋風にかたき木またの落葉かな(一說、秋風にまだき木またの落葉かな)
元就大に感じて圍を解きて引返し、程經て和を求められければ、宗哺、我より降參せばこそ恥辱ならめ。此上は、とて城を出でけるを、元就懇に遇し、賓客の樣にせられけり。