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○芦田信蕃二股城を退く事

卷之四 第17話 · 段落 1 · NDL 1078984 87コマ R

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勝賴長篠敗北の後、芦田常陸介信蕃二股の城を守る。三河の軍三月下旬より此を攻る。南方の山に東照宮御陣を据られ、巽の方鳥羽山東は、安倉口の山北は、三十原口の山西は、和田島に向城を構へらる。信蕃固く守りて十一月に至る。城を渡し甲州に引き入るべし、と勝賴より再三下知せらるれども聞入れず。勝賴自筆の書をもて下知せられしかば、十二月下旬に人質を出し、二十三日に城を渡さんと約せしが、雨降りければ簑笠にて見苦く候、とて翌二十六日天晴れて後城を渡し、二股の川の邊にて人質を取換へ引きとれり。信蕃小勢にて久しく守り、且城を渡す作法正しかりけるを御感ありて、後終に德川家に仕へけり。