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○則武三大夫功名の事

卷之六 第3話 · 段落 1 · NDL 1078984 117コマ L

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山崎の軍に堀尾帶刀吉晴の士則武三大夫首を取りて吉晴の前に來る。吉晴、思ひしよりも出かしたり、と詞を掛けられしかば、則武怒つて首を提げて進み寄り、斯る時は大將も目の暗くなる物に候。則武三大夫が取つたる首よく御覽候へ、と罵る。吉晴も、憎き奴哉、と言ふ儘に、刀を抽て斬られしに冑の星を削りたり。則武眞一文字に敵の中に駈け入りて首を取りて歸る。吉晴は、必ず則武は討死せん、と悔み思はれし處に、則武來りければ大に悅んで、汝を先に褒めたる詞、賞する餘りに思ひしよりもと言へるは、剛の者に言ふべき詞に非ず。我過にてこそあれ。汝が二度の先駈大きに勝れしよ、と感ぜられけり。