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○光秀愛宕山にて連歌の事

卷之六 第5話 · 段落 3 · NDL 1078984 119コマ R

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明智本姓土岐氏なれば、時と土岐と韻を通はして、天下を取るの意を含めり。秀吉旣に光秀を討ちて後、連歌を聞き大に怒りて紹巴を呼び、天が下知るといふ時は天下を奪ふの心現はれたり。汝知らざるや、と責めらるゝ。紹巴、其發句は天が下なるにて候、と申す。然らば懷紙を見せよ、とて、愛宕山より取り來て見るに、天が下しると出たり。紹巴淚を流して、是を見給へ。懷紙を削りて天が下しると書換へたる迹分明なり、と申す。殊勝にも書き換ぬ、とて秀吉罪を許されけり。江村鶴松筆把りにて天が下しると書きたれども、光秀討たれて後紹巴密に西坊に心を合せ、削りて又始の如く天が下しると書きたりけり。