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○竹中重治の事

卷之六 第24話 · 段落 1 · NDL 1078984 129コマ L

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竹中半兵衞重治ば1美濃の菩提の城主なり。後に秀吉の軍奉行たり。謀略有る人なれども打見たる處は婦人の如し。軍に臨む時も猛威なる事なし。馬の皮にて包める甲を著、木綿の羽織一の谷と名附けたる冑の緒をしめ、靜り返りて居けり。重治向ふ度每に士卒戰はずして旣に勝ちたり、と勇み合へり。重治或時軍物語せしに、子の左京未だ幼かりしが、座を立ちければ、重治、軍は國の大事なり。何方に行く、と問ふ。厠にゆく、と答ふ。重治、爰に溺をたるゝとも、軍物語の大事の席を立つ事やある、と怒られけり。
  1. 誤植 — 底本「重治ば」。濁点は誤りか(「重治は」)。