e204.p01校訂済165R:11–13165L:1–1別八王寺の城攻に城兵切つて出で死狂ひする時、利家の小姓大音藤藏一番首を取りたる處に、雨森彥三郞續きて首取つて、利家の前に至りて實撿に備ふ。一番は大音なり、と申して二番首の帳に記させたるを利家大に感ぜらる。其頃大音は利家の勘氣を蒙り居たる故、數度高聲に姓名を名乘りしかば、諸人一番乘と言ふ事を知つてけり。