常山紀談本文データベース

目次 › 卷之十 › e248

○淸正虎を狩られし事

卷之十 第13話 · 段落 1 · NDL 1078984 184コマ R

人物地名家(氏)官職日付索引へ

朝鮮にて何れの所にてか有りけん、淸正の陣大山の麓なりけるに、虎夜來りて馬を中に引提げ、虎落の上を飛び出でけり。淸正口惜き事なりと怒られけるに、小姓上月左膳をも虎來て咥殺せり。淸正夜明くると山を取卷いて虎を狩りたるに、一疋の虎生茂りたる萱原を搔分け、淸正を目がけて來る。淸正大なる岩の上に在りて鐵炮を持ち狙はるゝに、其間三十間許、虎淸正を睨みて立止る。人々鐵炮を揃へて搏たんとするを、淸正下知して打たせられず。自打殺さんとの志なり。斯て虎間近く猛り來り、口を開きて飛掛る處を搏たれしに、咽に打込みたれば、其處に倒れ起上らんとせしかども、痛手なれば終に死しぬ。