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○神谷小介先登の事

卷之十三 第4話 · 段落 1 · NDL 1078984 218コマ R

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合渡の軍に長政の內神谷小介先駈して川を涉り、待ちかけたる敵の中に喚いて駈入りければ、鎗玉に揚げられ旣に危かりし時、長政の軍兵進み懸りて敵を追つ立てければ、小介流るゝ血に朱に染みたるを戶板に載せて、長政の前に來る。小介、今日我と先を爭はん者長政ならでは有る可からずと思ひ、長政を屹と見て、小介より先立ちて鎗を合せ候者一人も候はず、と申しければ、長政、汝ならで誰か先駈すべき。手負ひ候者の氣を張りて物言ふは惡しき、と言はれけり。小介後に有馬の溫泉に浴して創癒えけり。