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○大久保忠佐に三枚橋城を賜ひし事

卷之十七 第4話 · 段落 1 · NDL 1078984 283コマ R

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關ヶ原の亂治りて後、大久保治右衞門忠佐に二萬石賜ひて三枚橋の城主たりしに、渡邊忠右衞門御近習の人に向ひ、治右衞門を武功の者と思召しけるが、此忠右衞門に逢うては逃げたり、と申しけるを聞召し、治右衞門を召され、先年三河にて一向宗一揆の時、忠右衞門兄弟弓を持ち、其餘數多鐵炮を持ちたる者七人に、汝一人立向ひて、相手がけの勝負ならば手並の程を知らすべきに、多勢の飛道具に吾一人懸りて犬死すべきに非ずと、大音に詞をかけて引退きたると聞きたり。然るに渡邊めが如く無理を言ふ男には取合はず、捨置くに如かず。必ず此後も聞かぬ體にてあれ、とぞ仰せられける。