常山紀談本文データベース

目次 › 卷之十八 › e390

○本田正信1加藤嘉明を諭されし事

卷之十八 第18話 · 段落 1 · NDL 1078984 290コマ L

人物地名家(氏)官職日付索引へ

  1. 誤植 — 底本「本田」。振り仮名「ほんだ」。本文では「本多正信」。
加藤嘉明關ヶ原の戰ひに大功有りしかば、五十萬石を賜はるべき處に、本多正信其事を押止めたりと嘉明傳へ聞きて、本多を恨みられけるに、正信行かれしかば、願ふ處とて對面せらる。正信の曰く、大國を賜ふべきとなりしを、我然るべからざる由を申止めて候ひき。是忠ある子細の候。其子細は、御身は武勇智謀類稀なる人にて、又豐臣家の恩深し。人の疑有るべし。功成り名遂げて身退くと申す事の候。今領國の少きに聊の恨無く御座さんに、恩遇子孫に到らん。若大國を領し給はば、必ず人の後に屈む人にあらずと、世疑ひおそれて禍有るべしと存ずる所なり。されども恨みられんには力なし、と云ひたりしかば、嘉明詞無くて止みけり。