常山紀談本文データベース

目次 › 卷之十九 › e405

○細川忠興冑の立物の說

卷之十九 第1話 · 段落 2 · NDL 1078984 299コマ R

人物地名家(氏)官職日付索引へ

細川忠興に、冑の物ずきを如何にせばや、と言ふ方の有りしに、詳に書き記して使に與へられけり。使、立物の下地桐の木と書き給へるは折れ易き物にて、如何候はん、といへば、忠興色を變じ、汝は弓箭取の使とも覺えぬなり。軍に臨む者誰か生きて歸らんと思ふべき。二つ無き命だに然り、何條立物の折るゝを厭ふべき。輕きこそよけれ。立物の折るゝばかりに働きたらば、何の見苦しき事有らん。ひと面目にてこそ有れ、といはれけり。