同陣
五月六日、
木村長門守重成若江に陣す。勇は生附たれども、陣數に不
㆑鍊將なれば、持口を不
㆑堅して、爰には敵なし。敵有る方に向はん、とて
八尾に至り、爰にも敵なし、とて本陣に歸來る。この時、
井伊掃部頭直孝の臣
磐若內膳物見に出て、
重成の備未だ立たざるを見て、敵の虛顯れ候。里程つもり、夜更に不
㆑出ば
八尾に行きて、今爰に可
㆑來なり。敵は道に疲れ兵粮を遣はん處を討たば利あるべし、と使を立つれば、
直孝、心得たり、とて軍を前め、
藤堂和泉守高虎と首尾を交ぜ、討ちて大利を得たり。