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○松山新介の勇將中村新兵衞が事

拾遺 卷之四 第25話 · 段落 1 · NDL 1078984 434コマ R

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攝津半國の主松山新介が勇將中村新兵衞、度々の手柄を顯しければ、時の人是を鎗中村と號して武者の棟梁とす。羽織は猩々緋、鍪は唐冠金纓なり。敵これを見て、すはや例の猩々緋よ唐冠よ、とて、未戰はざる先に敗して、敢て向ひ近づく者なし。或人强ひて所望して中村與㆑之。其後戰場にのぞみ、敵中村が羽織と盔とを不㆑見、故に競ひかゝりて切崩す。中村戈を振つて敵を殺すこと許多なれども、中村を知らざれば敵恐れず。中村つひに戰沒す。依㆑之曰く、敵を殺すの多きを以つて勝に非ず。威を輝して氣を奪ひ、勢を撓すの理を曉るべし。