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○信長上京の事

卷之二 第4話 · 段落 1 · NDL 1078984 42コマ R

人物地名家(氏)官職日付索引へ

信長桶狹間にて義元を討取りて後、潛に士七八人召具し、京に上り帝都の事ども窺ひ見、それより三好が高屋の城に往きて、長慶に望まれけるは、信長が尾張にて領し候地を進せ候べし。其地に當る程畿內にて賜はりなば、三好家の先陣たるべし、と言はれしかば、三好聞き受くべきを、松永彈正諫めて其の事止みにけり。此の時齋藤義龍信長を殺さん爲に、士十二人堺の津に出したりと信長聞きて、堺に到り、義龍が士の旅宿に往き、何義龍が討手とや、憎き奴原なり。汝等一々首を刎べし、とて刀の柄に手をかけ、はたと睨まれたる勢に、恐れ狼狽てて平伏しければ、信長散々に罵りて歸られけり。