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○井口與市主從功名の事

卷之十 第20話 · 段落 1 · NDL 1078984 187コマ R

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朝鮮にて、何れの所の事にや、廣き野に道有りて向うは山の麓なるに、大穴を構へ射手を伏置きて、行きかゝる日本人餘多射殺しけり。黑田家の兵井口與市が從者山崎喜藏、いで參つて見申さん、と言ひも敢ず走り行き、井口も馬より下り走入りければ、山崎射手三人斬伏せる。井口續て攻入り追散す。井口、恩賞に望候はず。天晴朱柄の鎗免され候へ、といふ。物師共寄合ひて、武功度重るか、或は一日の中に首七つ取る時は朱柄の鎗持すると申す事の候。輕々しく許し難き事にや、といふ。井口是を聞き、其後一日に首七つ取りて朱柄の鎗持せけり。