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○朝鮮より虎と象とを渡す事

卷之十 第22話 · 段落 1 · NDL 1078984 188コマ R

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朝鮮より虎と象とを引き來る。象は柔順のものなれば細き綱にて引きけり。虎には鐵の鎖を附け左右より七八人取附て引來る。朝鮮渡海の諸將一旦名護屋に歸り集られし時、彼虎に大力の男數多左右に鎖を控へ、㗢と言うて駈け出し、幾らも並居たる中を通りければ人皆驚きたるに、淸正膝立直し拳を握り、臂を張りて虎を屹と睨まれしに、虎も暫し立止まりて淸正を睨みて打過ぎぬ。嘉明は壁に倚り掛りて居眠して在りしが、虎通り過ぎたる後も初に異らず。稍有りて目を開き、何事に騷がれ候ぞ。虎を引通れる故にや、といと靜に言はれけり。