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○兼續惺窩先生に逢ひし事

卷之十一 第23話 · 段落 1 · NDL 1078984 200コマ L

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直江兼續、惺窩藤斂夫に對面せんと言へ共聞入れられず。兼續押して行きたれば不在なり。度々招けども行かざるに、今日來りたるにも逢はず。僞りて他に出でたるとや思はん、とて直江が許に行かれしに、直江其日關東に赴きしかば、跡を追ひて大津に至りて對面あり。直江、廢れたる家を急に取立つる時、人臣の心得は如何に、と問ふ。惺窩、事を速にせんとせば却りて敗るる基なり、とぞ答へける。後に直江景勝に勸めて旗を揚げさせ、必ず家を滅すべし、と惺窩言はれしが、果して景勝に事を起させたるが、其功成らざりき。