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○龜田大隅江戶の石壁を築きし事

卷之十九 第4話 · 段落 1 · NDL 1078984 301コマ R

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江戶の石壁を築かるゝ時、淺野長晟仰を奉りて龜田大隅高綱を奉行とす。石壁成りて後崩るる事三度に及べり。台德院殿打廻り御覽じて、何とて崩れしや、と仰せ有りしに、龜田謹んで、其事に候。大隅軍の時鴟の嘴の鎗を提げ先駈け候。陣遂に崩るゝ事は無く候。石は無心物にて詮方無く候、と申す。事終りて鹿毛斑の馬を大隅に賜ひけるに、士の二毛の馬に乘る事や候。逃げたる事も無く候に口惜く候、と言ふを、土井利勝申上げられしかば、別の馬を換へて與へよ、と仰せられけり。龜田大剛の者にて、十文字の鎗下坂忠親が造にて、鞘は鴟の嘴に造り、栗色に塗り總螺鈿の柄なり。