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○直江山城守閻魔王に書を贈りて訴訟人を斬る事

卷之二十三 第1話 · 段落 1 · NDL 1078984 352コマ R

人物地名家(氏)官職日付索引へ

上杉家に三寶寺何某といふ者、下部の罪有りて誅せしを、其一族大に怒りて、死したる人を歸し給はれ、と直江山城守に訟へけり。其下部の罪死に及ばざる事にや有りけん、直江白銀二十枚與へて、跡をとへ、と宥めけれども愈用ひず。是非に歸し給はれ、と直江を催促しけり。直江種々にいへども兎角聞入れず。其時直江、然らば訟の如くせん、とて一族三人捕へさせ、地獄に行きて迎へ來れ、とて書簡一通封じて、使に往け、とて首を刎ねさせたり。其書簡に、云々の子細候て三人迎ひに參らせ候。疾く歸し賜はり候へ。慶長二年二月七日、閻魔王冥官披露、直江山城守兼續、とぞ書きたりける。