e494.p01校訂済359L:10–13別紀伊大納言賴宣卿の母君をばお萬の方と申す。駿河にて塙團右衞門は名高き大剛の士なりと聞きて、お子達に太刀刀を進するは常の事なり。大將の寶といふは士に過ぎたるは無し、とて鏡臺金とて每年五百兩賜はりける中を、二百兩分ちて塙が流落せし內は與へられぬ。事有る時は剛の者一人にても愛しき子に參らせん、と言はれしとかや。