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目次 › 拾遺 卷之一 › e523

○島原落城の砌平塚勘兵衞比類なき働の事

拾遺 卷之一 第13話 · 段落 1 · NDL 1078984 390コマ R

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島原落城の砌、本丸の塀下へ著く者なし。鐵炮稠しかりけるに、紀州浪人平塚勘兵衞重近只一人押して、塀際へ附き、尾藤金左衞門薄紅の大吹貫を挿して掛附け、平塚と共に塀下へ附き、面も振らず塀を乘るところを、內より鎗長刀にて散々に突く。其內尾藤が口に突込む。夫にて弱る所を、又眞中を鎗にて突拔く、終に討死。平塚勘兵衞も尾藤と同じく乘掛候を、鎗にて突落され、已に討死と見えけるを、細川隆印內、乃美庄右衞門掛合ひ、塀の內より平塚を突伏せ居る敵を突き倒し、平塚は助る。平塚又起上り、塀下へ附き其働比類なし。但し平塚勘兵衞重近は、秀吉公御いとこ平塚因幡守吉就が甥なり。乃美庄右衞門は、小早川隆景家老浦兵部大夫宗勝が孫なり。何れも逸物の末孫故、と沙汰なり。