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○丹羽五郞左衞門物語の事

拾遺 卷之二 第13話 · 段落 1 · NDL 1078984 402コマ L

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丹羽五郞左衞門長重の咄に、鴨野口にて我等も仕寄を附る。景勝出て、我等も仕寄を附申べし。先是なる流に橋を丈夫に懸けてより申附け引込む。直江を始め手緩き人かなと思ふ氣色にて橋も架けず。景勝又出で、何とて橋は架けぬぞ、と被㆑申。西條治部申すは、只今にても橋は架け申すべし、とて卽時に架け申候。景勝見て本の仕寄場をば差置き、脇に土俵を置き鐵炮を懸けて、貝次第に土俵をば持ち參れ、と下知せられ、大坂方始は用心しけるが此體を見て、上杉は軍の術な1知らぬか、はか〲敷はあらじ、とて引入る。景勝衆も主の下知を受けぬ顏に、景勝は敵の油斷を見澄し貝を吹立つと、卽時に本仕寄場へ土俵をひた〱と持寄り、仕寄を卽時に附くる。前の土俵置きたるは仕寄道になり。明日大坂方仕寄防出、是を見て肝を消し興を醒しける由。
  1. 誤植 — 底本「術な知らぬ」。文脈から「術を知らぬ」の誤植か。