常山紀談本文データベース

目次 › 拾遺 卷之四 › e608

○島原一揆の時紀伊賴宣卿明知の事

拾遺 卷之四 第20話 · 段落 1 · NDL 1078984 432コマ R

人物地名家(氏)官職日付索引へ

同陣、二月二十一日の夜、城中より黑田右衞門佐忠之、鍋島信茂、寺澤兵庫頭の三手へ夜討す。寄手數輩討死し、鍋島の手を竹束井樓を燒拂ひ。賊の勢甚だ强し、と注進有りければ、江戶御城へ尾州、紀州、水戶の三家、其外在府の諸將を召されければ、皆これを聞きて驚く色あり。紀伊亞相賴宣卿のみ、近日落城すべし。鍋島家の井樓に火をかけし樣子、城中知略のたけ知れたり。心を勞するに不㆑足、久しからずして吉左右あらん、と仰せられけるが、程なく落城の告有りしかば、人皆賴宣卿の明察を感じけり。