e070.p01校訂済73R:3–7別姉川にて酒井左衞門尉忠次先陣たり。二陣は榊原康政なり。酒井を始め小笠原與八郞菅沼新八郞奧平等川を涉りて懸りけるに、岸高く上り兼たる處に、榊原眞一文字に進んで、上り難き岸を、無二無三に押上げよと、ゑいとう〱と言ひて押上り、酒井が先に進まんとするを見て、酒井が兵後れては無念なり、と競ひ懸りて利を得たり。東照宮、榊原が二の手の仕方以來の手本なり。二の手は斯くの如く仕度くこそ、と仰有りけり。