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○朝鮮陣の時東照宮御遠慮の事

卷之十 第7話 · 段落 1 · NDL 1078984 181コマ R

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東照宮江戶に御座しませしに、秀吉の使來りて朝鮮を伐たるゝ由を申す。斯て一人書院に御座しまして深く思案の體に見えさせ給ひける時、本田正信1御前近く出でたれども御詞も無し。稍有りて正信、殿は朝鮮に渡海有る可きや、と申せども、猶默然とせさせ給ふを、斯いふ事三度に及びて後、何事ぞ。喧しきに人や聞くべき。箱根をば誰に守らす可き、と仰有りしかば、正信、さては疾く御思慮定りける、と言ひて退出しけり。
  1. 誤植 — 底本「本田」。「本多」の誤植か(続帝国文庫本は「本多正信」)。