e282.p01校訂済199R:6–11別秀吉病重かりしかば、朝鮮渡海の軍兵を引取らんと計られける時、朝鮮へは必ず德川殿赴かせ給ふべし。さらば日本は自ら德川殿に歸服すべし、と人々言ひし處に、思の外に秀吉石田三成に命ぜられて朝鮮に赴きけり。偖ては日本の權威は三成に歸すべし、と言ひ振らす。黑田如水獨是を然りとせず。朝鮮の事三成是を承るにより、日本は德川殿の掌の中に有りと覺ゆ。三成是より伐りて人是を嫉みなん。然らば德川殿の仁德に靡き從ひて、日本は自然と德川イ關東殿に歸服せん、と言はれしが、果して然りき。