左衞門督藤原秀治は、利仁將軍八代の孫、堀權大夫秀高が末孫、故左衞門督秀政が男なり、初め美濃國の住人堀掃部大夫某、齋藤山城入道道三に屬し、茜部の地を領し、一方の大將たり、其子掃部大夫某、其子太郞左衞門尉秀重、これ秀政が父なりけり、秀政初め久太郞と申して織田殿に仕ふ智謀勇才拔群なりしかば、近江國長濱の城を賜ふ、其後秀吉に隨ひ參らせ、天正十一年同國佐和山の城を賜ひ、又羽柴の號を許され、左衞門督になさる、同き十三年越前國を賜ひ、北庄に移る、廿九万八百五十石、此內秀政自ら領する所は十八万八百五十石なり、寄騎の大名、村上周防守義明六万六千石、溝口伯耆守秀勝四万四千石を賜ふと云ふなり、四位の侍從して、天正十八年、關白相摸の北條を討れし時、一方の大將にて攻め下り、遊軍の惣大將にて、多くの大名從ひしなり、忽に病して、五月廿七日早川口にして卒す、年三十八、惜まぬ者こそなかりけれ、
가문 목록 › 第七上 › f087
堀
이 가문에 자주 나오는 인물·지명
인물 堀秀政 12徳川家康 8堀秀治 6堀忠俊 6堀親良 5堀直清 5多賀秀種 3徳川秀忠 3堀直寄 3堀鶴千代(秀治二男) 3豊臣秀吉 2村上頼勝 2溝口秀勝 2柳生宗矩 2近藤政成 2近藤重勝 2藤原利仁 1堀秀高 1堀掃部大夫(秀政曾祖父) 1斎藤道三 1堀掃部大夫(秀政祖父) 1堀秀重 1織田信長 1細川興元 1
지명 越後国 3関東 3美濃国 2越前国福井 2奥州 2摂津国大坂 2美濃国茜部 1近江長浜城 1近江佐和山城 1越前国 1相模国 1相模国早川口 1越前北庄城 1越後春日山城 1北陸道 1東海道 1東山道 1駿河国 1陸奥国岩城 1出羽国 1越後蔵王堂城 1京都 1下野国真岡 1下野烏山城 1
柳生但馬守宗矩の物語ありしは、此時宗矩も細川玄蕃允興元の手につきて攻め下る、秀政の卒せし時、高き人も賤しき者も、をしき人といひき、世の人、名人左衞門と名づく、天下の指南しても越度あるまじき人なりといひき、これ天下をも知らせたき人なりといふ言葉なり、此人の弟を多賀出雲守と云いふ、北の庄の城修し築く時に、秀政この出雲守が計ひあしとて、恥ぢがましく云はれたり、多賀口をしき事に思ひ、その明る朝、北庄を去りて行く、秀政聞きて、不便の事なり、道にこそ飢ゑけれとて、黃金十枚取出て、人を走らせて、はなむけす、その黃金つゝみたる紙を、自ら一枚づゝ、しわをのして箱に納む、近く仕ふ小侍どもに向ひ、およそ財は用ゐべきに當りては、十枚の黃金をしむに足らず、無用の事ならんには、此紙十枚をも濫りに費すべからず、汝等我を卑しと思ふ事なかれといひき、誠に名言なりしとぞ、
秀政男子三人、嫡男は左衞門督秀治、二男美作守親良、三男近藤信濃守政成といふ、秀治父に繼ぎて、四位の侍從兼左衞門督になされ、慶長三年越後國を賜て、春日山の城に移る、四十五万石、此內村上九万石、溝口六万石を給ひしと云ふ、同き五年の秋、德川殿上杉中納言を伐たせ給ひし時、秀治北陸道より奧に攻入るべしと仰せ下さる、かゝる所に、大坂の軍起りしかば、まづ東國の軍をば止めて、東海東山二手に分つて攻せ上らせ給ふに依つて、秀治奧に向ふに及ばず、越後に在て上杉勢を防く、同き十一年、三十二歲にして卒す、其男久太郞生年十二歲にして家を繼ぎ、元服して越後守になされ、將軍家の御諱字幷に御家號賜て忠俊と名のり、また大御所の聟君とぞなされける、大御所の御外孫本多美濃守忠政の娘を御養君となされて配せられしなり、こゝに家人堀監物直清、舍弟丹後守直寄、兄弟の間不快にして、直寄兄がために讒せられて、越後國を去つて、慶長十四年關東に參りまた駿河の御所に趣き、一封の書を獻て愁訴を陳す、慶長十五年閏二月二日、兩御所直清直寄を駿河に召し、决せらるゝに、舍弟が申す所その理あり、又越後守忠俊、書を獻りて、直清が訟を助く、大御所御前の人をして忠俊が書を讀せられ、只一條を聞し召され、幼弱の者いかでかゝる事を辨ふべき、これ直清が所行なりとて、忠俊も罪せられ、奧の岩城に流され、鳥居左京亮忠政に預けられ、直清は出羽國に流され、最上出羽守義光に預けらる、
美作守菅原親良は、故左衞門督秀政が二男、越後の國藏王の城を領す、四万石、此內一万石は家人近藤織部重勝領せしと云、慶長七年兄秀治が二男鶴千代丸を養うて所領讓り、我身は都に上り住む、一万八千石を鶴千代に與へて、自らは一万二千石を領せしといふ、鶴千代丸程なく卒しければ、親良關東に參て、將軍家に仕へん事を望み申す、親良母方に附きて菅原になりしは此程の事なるべし、同十一年下野國眞岡の地を賜ひ、一万石、又一万二千石其後また美濃の國にして地加へらる、五千石大坂の軍に從ひ寛永四年、下野の國烏山の城を賜ひ、二万八千三百石余同十四年五月十三日に卒す、五十八歲、嫡男美作守親昌、家を繼ぎ、舍弟等に所領分つ、二男孫太郞親智三千石、三男三太郞親泰二千石、延寶元年七月十六日六十八歲にて卒す、其子周防守親貞、父の家を繼ぐ、